紀元前後のローマは、現在の日本と同様
少子化」の問題が早くも発生。

「ローマ人の物語」を読んでいると、

少子化の主な原因は・・・
戦争が終わり平和が訪れたローマでは
子供を育てる以外に、快適な人生を送る
という生活スタイルが上流階級を中心に
浸透していた、ということらしいのです。

まさに今の日本を見ているようですね・・・

そこで、時の皇帝・アウグストゥスは
少子化対策の法律をいくつか作ったようです。

“負け犬”が住みづらい世の中 へ変貌。


“負け犬”の毒エサ

・“負け犬”が50歳を超えると相続権なし
・“負け犬”が50歳を超えると規定以上資産の権利放棄
・“負け犬”が規定以上の資産を持つ場合、直接税の課税


“勝ち犬”のおいしいエサ

・選挙で決まる公職者の得票数が同じであれば、
  独身者<既婚者<子をもつ既婚者<子の数の多い既婚者
 というように子供が多くいる方が有利


“負け犬”にしないためのワナ

離婚する場合は公表し、7人のローマ人の承認が必要
・夫のいる女性が不倫した場合、資産の一部没収、終身追放
 (逆の場合は、法的な措置なし!)


などなど、“負け犬”は尻尾を巻いて逃げ出したくなる
ような過酷な世界が待ち受けているのでした。

“少子化” “晩婚化” “離婚率上昇”など、2000年前の
ローマと同じ悩みを抱える日本で、こんな事が実施
されれば・・・ 大変な混乱が起きるのかもしれません。

という一方で、ここまでドラスティックな改革を
やってしまえば、“負け犬”の私のような人でも
「結婚して、子供でも産まなきゃ~」って気になるかも。
(そんな単純じゃないか。)

歴史は繰り返すけど、解決法は同じではない。

アウグストゥスが歩いていたフォロ・ロマーノの
写真を眺めながら、ふと、こんな事を考えました。



塩野 七生 著
ローマ人の物語〈15〉パクス・ロマーナ(中)